【チンクエチェントの泣き所】FIAT500 1.2 POPのサーモスタットを交換する

車・バイク
チンクエチェントの泣き所、サーモスタットを対策部品に交換しました。

壊れる設計なのに修理はユーザー負担なの?

こんにちは、キリンです。

FIAT500定番の不具合に「サーモスタットからの冷却水漏れ」があります。

サーモスタットのパイプが樹脂なので、経年劣化して亀裂が入り、

そこから冷却水が漏れるというものです。FIAT500の泣き所ですよね。

ウチのチンクチェントも製造後6年目ということで、お約束通り壊れてくれました。

ネットの情報で、

「サーモスタットの故障はディーラーに行けば無期限で無償交換してくれる」

とあったので、購入したディーラーに電話で無償修理ができるか問い合わせすると

「一度見てから判断したい」と言われたので、はるばる2時間掛けてディーラーを訪ねました。

しかしディーラーで車を確認してもらうと、修理は有償になるとの一点張り。

なんでも、無償修理のサービス期間はあったが、公にはPRしておらず

その期間中の定期点検で不具合があった車両のみ部品を無償で交換していたが、

そのサービス期間はすでに終了しているので、今回の修理費用はユーザー負担になるとのこと。

(それなら、電話で聞いた時にそう言ってよ!)

おまけに「スグにでも修理しないといけない状態です」と言われて、

納得いかない中で提示された修理見積が約3万円。

しかも交換するのは壊れた部品と同じ樹脂パイプの純正品とのこと。

また壊れるかもしれない部品の交換に3万も払う気はさらさら無いので、

「自分で交換するから結構です」と丁重にお断りしてディーラーを後にしました。

今回に限らず輸入車はディーラーに作業を頼むとお金がどんどん飛んでいきますね。

車検もディーラーで2回お願いしましたが、見積もり額が、

1回目の車検が25万円!(バッテリーとブレーキパッドの交換を含む)

2回目の車検が33万円!!(バッテリーとタイミングベルトの交換含む)

輸入品の純正部品が割高なのは分りますが、それにしてもね・・・。

車検の見積もりがあまりにも高かったのでブレーキパッドの交換など、

自分でDIYできる部分は省いてもらうことで、

1回目は16万円、2回目は24万円に抑えました。

見た目はかわいいチンクエチェントですが、お金がかかる子です。

そんなこともあって、今回も部品をネットで注文してから作業に取りかかります。

サーモスタットの交換作業

チンクのサーモスタット交換はネットやYoutubeで色々紹介されていますが、
クーラントの抜き取りからエア抜きまで、一連の作業が分かる情報が少なかったので、
できるだけ丁寧にまとめてみましたので参考にしてもらえれば幸いです。

※作業の難易度は高くありませんが、ミスするとエンジンをオーバーヒートさせてしまうかもしれないので、自分で作業される方は自己責任でお願いします。

クーラントを抜く

始めにクーラントを抜いておきます。

一般的に国産車のラジエターにドレンがありますが、チンクにはドレンがありません。

クーラントはラジエターロアホースのジョイントを外して抜くそうです。

ラジエターのロアパイプのジョイントを外してクーラントを抜きます

しかしジョイント部分から漏れてくる可能性もあるので、今回は灯油ポンプを使って

クーラントのリザーブタンクから抜くことにしました。

灯油ポンプにパイプを追加して延長してます

この方法だと全てのクーラントは抜けませんが、クーラントをサーモスタットよりも低くなるまで

抜いてあげれば、サーモスタットを外してもクーラントは漏れてこないので、問題ありません。

カスタムした灯油ポンプでクーラントを抜いていきます。

クーラントを吸い出してます

チンクのリザーブタンクはラジエターのタンクと兼用なので、リアルなクーラントのレベルが

分かりやすいです。

4リットル弱抜いた状態です

エアクリーナーダクトの取り外し

エアクリーナーに繋がるダクトを外します。

4mmのHEXボルトを外して
ダクトをずらして
引き抜きます
ダクトが外れました

エアクリーナーのダクトを外すだけでもサーモスタットの交換はできるようですが、
確実に作業したいのでバッテリーも外すことにします。急がば廻れです。

バッテリーとバッテリートレイの取り外し

サーモスタットを取り外しやすいように、バッテリーを取り外します。

バッテリーの端子を外します。

外す順番はマイナス端子(黒い方)、プラス端子(赤い方)の順番です。

マイナス端子から外します
プラスの端子を外します

+ーの端子を外したら、バッテリーを固定しているベルトを外します。

ここはナットで固定されているので、13mmのソケットで外します。

ベルトが外れました

バッテリーを取り出します。

バッテリーを下ろすと樹脂のトレイがあるので持ち上げて外します。

トレイには液抜きのホースが付いているので、差し込む場所を覚えておきます。

バッテリーブラケットを外します。13mmのボルト2箇所とナット1箇所で固定されてます。

ブラケットにはハーネスが樹脂のクリップで固定されているので、それも外しておきます。

ハーネスを固定しているクリップを外します

クリップはラジオペンチで挟んで押せば外れます。

バッテリーのブラケットが外れました。

作業スペースが確保できました。

サーモスタットの状況を見てみます。

クーラントが漏れた跡がピンク色になっています。ガッツリ漏れてますね。

ホースバンドの取り外し

サーモスタットに繋がるラジエターホースを外しますが、金属製のバンドで固定されています。

このバンドは壊さないと外せないので再使用できません。

ニッパーでカシメを起こしていきます
バンドを緩めていきます

外したバンドの代わりに、ネジで締め込むタイプのステンレスバンドを購入しておきました。
Φ16~25mmとΦ21~44mmの2種類です。

Amazonで300円位でした

バンドを外したら、手前にあるラジエターホースを先に抜いておきます。

サーモスタットの取り外し

サーモスタットはエンジンにボルト2箇所で固定されています。

サーモスタットを取り外すと、ヒーターに繋がる樹脂のパイプがポッキリ折れました。

水温センサーのカプラーを外します。

センサーのカプラーはロック(オレンジ色のパーツ)が掛かっているので、

スライドさせてロックを外してから、赤丸の爪を押さえるとカプラーを外せます。

ヒーターに繋がるホースに残っているパイプを抜きます。

ホースリムーバーでグリグリして

プライヤーで摘んで抜きます。

抜けました!

なんで樹脂なんだろう

壊れたサーモスタットと新品の比較です。

左が交換前、右が新品

交換する対策品は、樹脂のパイプ部分がアルミになっているので、今後折れることは無いでしょう。

漏れたクーラントで汚れたエンジン回りは掃除しておきます。
綺麗にしておかないと、次に漏れたのが分からないですからね。

サーモスタットの取り付け

新品のサーモスタットを取り付けます。

純正互換品の対策済サーモスタット。ネットで4500円。ホースの接続部がアルミです。

取り付ける前に、サーモスタットとエンジンの合わせ面を綺麗にしてから脱脂しました。

旧サーモスタットは合わせ面から漏れた跡があったので、

液体ガスケットを薄く塗っておくことにしました。

サーモスタットをエンジンに取り付けて、2本のボルトで固定します。

ヒーターホースにステンレスバンドを通してからサーモスタットに差し込みます。

サーモスタットのパイプにシリコンスプレーをかけておくと簡単にさしこめますよ。

ヒーターホースのバンドを締めてから、センサーのカプラーもつなぎます。

カプラーのロックも忘れずに。

最後にラジエターホースを取り付けます。

クーラント補充

クーラントを補充します。今回は、抜き取ったクーラントをリサイクルします。

1.2のチンクは4リットル程入るようです。

バッテリーの取り付け

エア抜きの時にエンジンを回すので、バッテリーを元に戻します。

バッテリーブラケットは洗ってキレイにしておきました。
バッテリーを戻します。端子をしっかり締めておきます。

エア抜き

エンジンはかけずに、リザーバータンクのギリギリまでクーラントを入れつつ、

ヒーターホースにあるブリーザーを緩めてエアを抜いていきます。

ヒーターホースのブリーザー
指で回らない時はマイナスドライバーで緩めます

エアが抜けるにつれてクーラントのレベルが下がっていきます。

クーラントを継ぎ足しながらラジエターのアッパーホースをモミモミして中の空気を押し出します。

エアーが抜けて来るとブリーザーからクーラントがピューっと出てくるので、ブリーザーを締めます。

ある程度エアが抜けたので、ヒーターの温度と風量を最大にしてエンジンを回します。

(リザーバーのキャップは開けたままです)

しばらくアイドリングでエンジンを回しつつ、クーラントの漏れがないか確認しながら

エア抜きを続けます。

ネットでは「ラジエターファンが2サイクル回る迄アイドリングする」とありましたが、

作業した日の気温が6℃位だったせいか、ラジエターのファンがいつまでたっても回りません。

結局15分位過ぎてから、ヒーターの温風も出てきたのでエア抜きを終了しました。

ちなみにヒーターに関して補足すると、はじめは水温が安定したのに温風が出てきませんでした。

ちょっと焦りましたが、少しアクセルを煽ってエンジン回転を上げたら温風が出てきました。

その後、家の近所を試運転してからクーラントを補充してMAXレベルにしておきます。

翌日も試運転して、クーラントのレベルに問題無ければ作業完了です。

まとめ

我が家のチンクチェントにも定番のトラブルが発生しました。

サーモスタットのトラブルは新車から5~6年経過すると多く発生するみたいです。

ウチのチンクも6年目で壊れてます。

気が付かなければ最悪オーバーヒートしてエンジンが焼き付いてたかもしれません。

対策された部品をDIYで交換すれば、5千円位の費用で済みますので、

現在異常が無い車両も予防整備で早めに対策部品に交換しておくことをお勧めします。

DIYが無理な方も、輸入車が得意な中古車販売店や、

町の修理工場を探して作業を依頼するのも費用を節約する方法だと思います。

ひとまずこれで安心してチンクエチェントに乗ることができるようになりました。

備忘メモ

・走行距離:76,595km

・費用合計:5,189円

 サーモスタット    4,543円

 ホースバンド Φ22mm 148円

 ホースバンド Φ47mm 136円

 液体ガスケット     362円

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